誰もが予期せぬリスクに直面します。
リスクには新型コロナのように被害想定が困難であったリスクもあれば、事前に想定できるリスクもあります。
当会は、ドクターにとって重要度は高いですが、備えが充分にできていない可能性のある以下のようなリスクに絞って、情報の提供及びリスクを移転する保険サービスを紹介しています。
就業不能リスク
労働災害や職業病は、ドクター自身が被るリスクです。ドクターは、長時間労働や過労、感染症など、さまざまなリスクにさらされています。
<開業医のケース>
万が一働けなくなった場合、開業医は自ら稼がないと収入は減少しますから、その対策は不可欠です。公的な制度として「傷病手当金」があります。
ただし国民健康保険の場合は、残念ながら「傷病手当金」はありません。都道府県単位の医師国民保険組合の場合は組合ごとに「傷病手当金」の金額や給付期間を定めていますが、健康保険組合等と比較して条件はよくありません。
<勤務医のケース>
勤務医の場合は、勤務先の健康保険組合等から「傷病手当金」を受けることができます。給与の約6割超が保障されるイメージで、最長で1年6カ月間に亘って支給されます。ただ高額のローンなどを抱えているなどの特別な事情がある場合は、対策が必要でしょう。
サイバーリスク
海外のハッカー集団がサイバー攻撃を活発化させており、医療機関の被害が増加しています。「患者の病歴」や「医師等の健康診断等の結果」「医師等による指導・診療・調剤」などの要配慮個人情報を保有する医療機関は特に狙われやすい上に、医療機関では患者の命を守ることが最優先されるため、身代金の支払いへの要求に応じやすいと攻撃側は見ている可能性があります。
サイバー攻撃による情報漏洩は、個人情報保護法や医師法・歯科医師法による行政法上の責任の他に、民事上の責任(診療契約及びこれに関する安全配慮義務)、刑事上の責任(秘密漏洩罪等)など、医療情報を取り扱う医療機関の管理者としての法律上の責任は非常に重いため、早々の対策の実施をお勧めします。
ハラスメントリスク
厚生労働省調査※によれば、パワハラを経験した者の割合を業種別でみると、医療・福祉は他業種と比較して相対的に高くなっています。また、パワハラやセクハラに加え、医療機関で起きやすいハラスメントとして、ペイシェントハラスメントも近年注目されているところです。
人手不足、賃金上昇という労働市場環境下において、職員の労働環境を守ることは非常に重要です。パワーハラスメント対策は義務化されており、経営者として優先的に取り組むべき事項になっています。