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看護配置をどうするべきか。

急性期の手厚い看護配置を評価するためにできた7対1病床ですが、わずか8年で削減計画に変わり、2年間で9万床の削減を見込んでいるとのことです。超高齢化とともに慢性期の患者が増え、それに合ったベッド数にするという方向性なのでしょうが、急性期機能を担ってきた当院にとっては大きな方向転換を要求されています。10対1に転換するにしても当院の機能そのものが変わり頭を痛めています。病床機能区分の今改定におけるポイントと、次期医療法改正に向けてどのような政策が検討されているのでしょうか。(病院事務長)

自院の医療機能に見合った看護配置の選択を。今後は病棟ごとの届出になるため病棟編成見直しも

○次期医療法改正に向けての医療機能の明確化
全国に約36万床弱ある一般病棟入院基本料7対1の病床の削減は、診療報酬改定のなかで重要な位置づけになっています。実際は急性期ではない患者が入院を続ける「診療報酬による政策誘導の失敗」といった批判もありました。そのような反省をふまえ次期医療法では急性期機能を明確化し、都道府県が二次医療圏ごとの必要数を定めていくというような考え方が示されています。

①一般急性期から高度急性期を選抜
平成24年度にDPC病院Ⅱ群の指定を受けた90病院は、一定以上の「診療密度」「医師研修の実施」「高度な医療技術の実施」「重症患者に対する診療の実施」との要件を満たしていることから、高度急性期医療を担う病院に相応しいと考えられますが、今回の改定では、高度急性期の病院が目指す機能として、以下のような項目が新設されました。

a.総合入院体制加算の評価
現行の総合入院体制加算は全国で248病院が届け出ていますが(平成24年7月1日時点)、より充実した評価が新設されました。三次救急医療機関であることや精神科の病床を保有し入院医療を提供するなど基準が厳しいため、全国で基準をクリアできているのは11病院のようです。

b.質の高い集中治療の評価
特定集中治療室管理料(ICU)について、特定集中治療に精通した医師の複数配置、十分な病床面積の確保、臨床工学技士の24時間勤務体制などにより、より診療密度の高い診療体制にある特定集中治療室に対し、充実した評価を行うとともに、入院している患者の重症度については、急性期患者の特性を評価する評価方法に改まります。簡単にいえば、重症度の高い患者が入院しており、手厚い人員で診ている病床に、より高い点数をつけるということです。

②急性期
「医療機関の機能分化・強化と連携、在宅医療の充実等」が重点課題に位置づけられた今回の診療報酬改定ですが、在宅医療の分野で緊急往診などの実績が豊富な医療機関に点数が手厚く配分された一方、一般病棟7対1入院基本料の要件厳格化や「地域包括ケア病棟入院料」「地域包括ケア入院医療管理料」の新設など、特に急性期機能を担ってきた病院にとっては、大きな方向転換を要求される内容も目立っています。

a.7対1の要件厳格化、在院日数のハードル高く
一般病棟7対1入院基本料(平成26年度から1591点)を届け出るための要件が厳格化され、同入院基本料の要件については、入院患者に占める重症者の割合(15%以上)は据え置いたうえで、重症者かどうか判定する基準の一部を急性期の患者像に合わせて変更となりました。病院内に「救命救急入院料」を算定する治療室があれば、重症者の割合を達成したとみなすこれまでの扱いも改められました。
膨れ上がった7対1の病棟のスリム化に重点が置かれ、医療・看護必要度の見直し、特定除外患者の廃止、短期滞在検査・手術の平均在院日数算定からの除外、データ提出加算届出義務化などの基準の見直し・追加によって、現行の4分の1の病床を脱落させることを企図しているようです。
今回は7対1の届出をしている病棟全体での見直しでしたが、医療法改正後に病床機能報告制度ができますと病棟ごとの届出になり、たとえば整形外科の病棟や眼科・耳鼻科の病棟などは、医療・看護必要度をクリアできない可能性があります。病床機能報告制度がはじまる前に、病棟編成をどのようにするべきか前もって検討しておく必要があります。
ただ、いずれにしても7対1の病床の削減についてはコンセンサスができあがっているため、今回の改定に対応して仮に7対1で残ったとしても、今後とも基準が厳しくなると考えておくのが良いでしょう。

③回復期
急性期後の患者の受け入れや在宅・生活復帰支援、在宅患者の緊急時の入院受け入れ対応などの地域包括ケアシステムを支える病棟の充実という目的で、地域包括ケア病棟が新設され、亜急性期病床は平成26年9月30日に廃止になります。施設基準には、在宅療養支援病院の届出、もしくは在宅療養後方支援病院として年3件以上の在宅患者の受け入れ実績があること、もしくは二次救急医療施設の指定を受けていること、もしくは救急告示病院であることがあります。
点数も手厚くなっていることから、今回の改定で機能変更を選択せざるを得ない7対1や10対1の入院基本料を届け出ている病院や、既存の13対1や15対1の入院基本料を届け出ている病院、療養病棟を有している病院に対して積極的な移行を促していることがわかります。
回復期リハビリテーション病棟については、患者の早期の機能回復、早期退院を一層推進する観点から、より充実したリハビリテーションの提供体制を評価しています。

④慢性期(療養)
一般病床の特定除外患者の受入先として、透析患者や重度の障害者を入院させられるように新たに点数がつきました。また、地域包括ケア病棟の届出が可能になったり、在宅復帰の実績に応じた加算がつけられたり、療養病棟についても地域包括ケアシステムへのかかわりを誘導する点数がつけられています。

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