2026年度診療報酬改定:眼科経営戦略レポート
2026.2.20|医療政策医療経営
令和8年(2026年)2月13日の中医協答申および関連資料に基づき、眼科診療所経営者に特化した実務レポートを作成しました。
令和8年度診療報酬改定 実務レポート【眼科編】
本レポートは、2026年2月13日の中医協答申資料に基づき、眼科診療所の経営に直結する重要変更点を解説します。
今回の改定は、**「物価高・賃上げへの緊急対応」と「医療DX・サイバーセキュリティの必須化」**が二大テーマです。
眼科においては、白内障手術等の点数引き下げがある一方で、基本診療料の底上げや緑内障手術の評価増など、メリハリのある改定となっています。
① 眼科の診療所に関係する主な変更点
今回の改定では、手術点数の適正化と、外来基本料への上乗せ評価が混在しています。
1.手術点数の見直し(白内障減額・緑内障増額)
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- 白内障手術の引き下げ: 「K282 水晶体再建術」の点数が引き下げられました。
眼内レンズ挿入(その他・片側):18,001点 → 17,457点(-544点)
眼内レンズ挿入(その他・両側):33,812点 → 31,685点(-2,127点)
このほか、眼瞼下垂症手術(片側)も11,459点 → 11,000点へ引き下げられています。 - 緑内障手術の引き上げ: 「K268 緑内障手術(水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術)」は評価が上がっています。
片側:33,991点 → 34,516点(+525点)
両側:65,894点 → 67,946点(+2,052点)
- 白内障手術の引き下げ: 「K282 水晶体再建術」の点数が引き下げられました。
2.基本診療料の引き上げと「物価対応料」の新設
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- 初診料・再診料の引き上げ: 昨今のコスト増を反映し、基本点数が引き上げられます。
- 「物価対応料」の新設: 物価高騰への対応として、外来において「物価対応料」が新設されます。
初診時・再診時に毎回算定可能です。
3.医療DXとサイバーセキュリティの評価厳格化
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- 「電子的診療情報連携体制整備加算」の新設: 従来の医療DX関連加算が再編され、初診・再診時に算定可能な新加算となります。
- 重要要件: 算定要件として**「サイバー攻撃対策」**が含まれました。
診療所であっても、厚労省ガイドラインに準拠したセキュリティ体制が必須となります。
4.近視進行抑制治療の検査制限
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- 近視進行抑制薬の処方に係る検査: アトロピン点眼等の近視進行抑制治療を行っている患者に対する眼科学的検査について、「年2回に限り算定する」「1回の受診で複数の検査を行っても2種類を限度とする」という制限が設けられました。
5.糖尿病連携の強化(内科側からの紹介促進)
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- 内科での連携加算新設: 生活習慣病管理料を算定する内科等の医療機関が、糖尿病患者に対して眼科受診を促し連携した場合に算定できる「眼科医療機関連携強化加算」が新設されました。
これにより、内科からの紹介患者増加が期待できます。
- 内科での連携加算新設: 生活習慣病管理料を算定する内科等の医療機関が、糖尿病患者に対して眼科受診を促し連携した場合に算定できる「眼科医療機関連携強化加算」が新設されました。
② 変更が眼科診療所の経営に及ぼす影響
白内障手術中心のクリニックには逆風となる一方、一般外来中心のクリニックには基本料アップの恩恵があります。
1.収益構造への影響:手術単価減と外来単価増
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- 減収リスク(手術): 白内障手術(両眼)で約2,000点のマイナスとなり、手術件数が多いクリニックほど減収幅が大きくなります。
材料費等のコスト削減やオペ効率の向上が求められます。 - 増収要因(外来): 初・再診料の引き上げと「物価対応料」「電子的診療情報連携体制整備加算」により、外来患者1人あたりの単価は上昇します。
再診頻度が高い緑内障管理などを中心とする施設にはプラスに働きます。
- 減収リスク(手術): 白内障手術(両眼)で約2,000点のマイナスとなり、手術件数が多いクリニックほど減収幅が大きくなります。
2.算定できる診療所とできない診療所の格差
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- セキュリティの壁: 「電子的診療情報連携体制整備加算」は、サイバーセキュリティ対策が要件です。
これを満たさない診療所は、初・再診ごとの加算を取りこぼすことになり、近隣の対応済みクリニックと収益力で差がつきます。
- セキュリティの壁: 「電子的診療情報連携体制整備加算」は、サイバーセキュリティ対策が要件です。
3.患者動向への影響
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- 近視治療の適正化: 小児の近視抑制治療において、頻回な検査で収益を上げていたモデルは修正を迫られます。
年2回という制限の中で、自費診療との組み合わせ等を再考する必要があります。 - 紹介患者の増加: 内科側のインセンティブ(連携加算)により、糖尿病網膜症スクリーニングのための紹介患者が増加する可能性があります。
- 近視治療の適正化: 小児の近視抑制治療において、頻回な検査で収益を上げていたモデルは修正を迫られます。
③ 取るべき対策
眼科診療所経営者が実行すべきアクションを優先順位順に提示します。
【優先度:高】すぐに確認・着手すべき項目(1〜2ヶ月以内)
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- サイバーセキュリティ対策の現状診断:
新設の「電子的診療情報連携体制整備加算」算定のため、自院のシステム(電子カルテ、画像ファイリングシステム等)が厚労省ガイドラインに適合しているか、ベンダーへ至急確認してください。「UTM(統合脅威管理)導入」等が必須となる可能性があります。 - 賃上げ計画の策定:
ORT(視能訓練士)や看護師等のスタッフ確保のため、ベースアップ評価料を活用した賃上げ計画を策定し、届出準備を行ってください。
- サイバーセキュリティ対策の現状診断:
【優先度:中】半年以内に整備すべき体制
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- 地域の内科医との連携強化:
新設された「眼科医療機関連携強化加算」の情報を近隣の内科クリニックへ共有し(「当院へ紹介すれば貴院で加算が取れます」等の案内)、糖尿病患者の紹介ルートを太くしてください。 - 白内障手術のコスト管理見直し:
点数引き下げに対応するため、使用する眼内レンズや消耗品の納入価格交渉、手術枠の運用効率化を検討してください。 - 近視治療の運用フロー変更:
近視抑制治療中の患者について、保険請求できる検査回数(年2回)を管理できるよう、電子カルテのセット登録や予約管理を見直してください。
- 地域の内科医との連携強化:
【優先度:低】中長期で取り組むべき戦略
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- 緑内障手術の実施検討:
評価が引き上げられたMIGS(低侵襲緑内障手術)など、白内障手術と併用できる緑内障手術の導入や件数拡大を検討し、手術単価の維持・向上を図ってください。
- 緑内障手術の実施検討:
まとめ
令和8年改定は、**「白内障手術の点数引き下げ」という厳しい内容を含む一方、「外来基本料の底上げ」と「糖尿病連携による集患チャンス」を提供しています。
手術偏重の経営モデルの場合はコスト構造の見直しが急務です。
また、一般外来においては「サイバーセキュリティ対策」**を早期に済ませ、新設加算を確実に取り込むことが経営安定の最低条件となります。
【本レポートの活用にあたって】
本資料は、2026年2月13日付の中医協答申資料をソースとして 、最新の生成AI技術を用いて当会が独自に分析・編纂したものです 。
速報性を重視しているため、実際の運用や解釈が今後の官報告示等で異なる場合があります 。
投資や雇用などの重要な経営意思決定に際しては、本レポートの示唆を一つの指針としつつ、医業経営の各専門家(コンサルタント、税理士、労務士、弁護士等)による最終的な確認と指導を受けるようにしてください。