既に起こった未来 2040年問題を考える その2
2020.7.20|医療政策医療経営
急性期の患者数減少、働き手不足、社会保障財源の逼迫など、2040年までの道のりは相当厳しいでしょう。IoT、ロボット、人工知能(AI)、ビッグデータといった社会の在り方にまで影響を及ぼすような新技術の導入は待ったなしの状況です。
マイナンバーカードの健康保険証としての利用が、2021年3月より本格稼働し、2022年度中に概ね全ての医療機関に導入される予定です。当初は診療時の本人確認と保険資格確認に利用されます。2021年秋頃には国民はマイナポータルによって、自らの薬剤情報や特定健診情報を確認できる予定です。
特定健診データは、身長・体重・血圧、血糖・血中脂質・肝機能・尿検査等の検査値、問診の結果、血圧・血糖・血中脂質の治療薬の服薬歴、喫煙・飲酒、食事・運動等の生活習慣、これらに服薬情報、医療費情報を加えた医療情報が被保険者番号を通じてマイナンバーで管理されます。また患者の同意のもと、医師や歯科医師がオンラインで薬剤情報や特定健診情報を、薬剤師が薬剤情報を確認できるなど、現場ではより多くの情報をもとにした診療や服薬管理が可能となり、医療の質の向上が期待できます。
内閣府が提唱するSociety 5.0(下図参照)では、各個人のリアルタイムの生理計測データ、医療現場の情報、医療・感染情報、環境情報といった様々な情報を含むビッグデータをAIで解析することにより、「ロボットによる生活支援・話し相手などにより一人でも快適な生活を送ること」「リアルタイムの自動健康診断などでの健康促進や病気を早期発見すること」「生理・医療データの共有によりどこでも最適な治療を受けること」「医療・介護現場でのロボットによる支援で負担を軽減すること」などができるようになるとともに、社会全体としても医療費や介護費などの社会的コストの削減や医療現場等での人手不足の問題を解決することが可能になる社会が描かれています。
スマートフォンやウェアラブル機器(時計・眼鏡・衣服等)を通じて24時間365日いつでも、患者や家族がインターネットと医師につながっている社会になれば、あくまで想像ですが生活者の行動は以下のようになるのではないでしょうか。
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