コラム

外来医療の機能分化と連携

2022.3.20|医療政策

4月から「外来機能報告」がスタートします。
2014年度からスタートしている「病床機能報告の外来版」で、一般病床・療養病床を持つ病院・有床診療所(無床診療所も任意参加可能)に対し「自院がどういった外来医療を提供しているか」がわかるデータを、毎年度、都道府県に報告することを義務付けるものです。厚生労働省の検討資料によれば、以下のようなスケジュールで開始されます。

<外来機能報告・地域における協議の場のスケジュール(案)>

厚生労働省が4月からレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)を基に対象医療機関の抽出を行い、9月頃から対象医療機関に対して、病床機能報告とともに外来機能報告を依頼します。そして取得したデータに基づいて、都道府県が2023年1~3月頃に地域医療構想調整会議のような地域の協議の場を設けて議論し、該当医療機関の意向を確認した上で、『高機能の外来医療』を提供する病院や診療所を決定・公表していくことになっています。

医療機関にとって新たな負担となる報告制度を設けた背景
外来医療においても医療機関の機能分化を進め、「患者は『かかりつけ医』をまず受診し、そこから必要に応じて『高機能の病院外来』を紹介してもらう」という流れをより強化する。そのために「『高機能の外来医療』を提供する病院」はどこなのか、「『かかりつけ医』機能を果たす医療機関」はどこなのかなどを、患者にわかりやすく情報提供するためです。
結果として、『高機能の外来医療』を提供する病院の外来患者の待ち時間の短縮や勤務医の外来負担の軽減、医師の働き方改革に寄与すると考えられています。

報告事項は、「医療資源を重点的に活用する外来」の実施状況と詳細、紹介中心型病院になる意向があるか否か、在宅医療や地域連携の状況、救急医療の状況、紹介・逆紹介率、外来における人材の配置状況(専門看護師・認定看護師・特定行為研修終了看護師数)、高額医療機器等の保有状況です。報告内容の多くは、国がNDB(National Data Base:レセプト・特定健診のデータを格納したデータベース)から抽出するため、医療機関で考えなければならないのは「紹介中心型病院になる意向があるか否か」や「紹介・逆紹介率」が中心となります。

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