コラム

「禍を転じて福と為す」 コロナ禍の受診控え

2021.7.20|医療政策

医療機関での窓口負担が少ないことやフリーアクセスなどの要因によって、日本の1人当たりの受診回数は下図のように欧米先進国と比較してかなり多いことは、ドクターの皆さんはご存知でしょう。
入院期間についても同様に欧米先進国と比較してかなり長かったために、医療機能の分担・地域医療連携を促進するための診療報酬による誘導、特にDPCの導入によって、平均在院日数短縮の対策は継続して行われています。OECDのデータによれば、1990年50.5日、2000年39.1日、2010年32.5日、2018年27.8日と、平均入院期間は28年間で45%減少しました。

出所:厚生労働省 社会保険審議会医療保険部会2021年3月26日資料

一方で、外来については処方期間の長期化などは行われてきましたが、受診回数はあまり減少していません。対策として財務省主導で、定額負担の導入について繰り返し提言されてきましたが、日本医師会は反対の立場です。反対理由は、患者が経済的な負担増加のために受診抑制をしてしまい病状を悪化させる可能性があること、結果的に医療費を増加させてしまう懸念があることなどです。
「確かにその可能性はありそうだが、どれくらいの影響があるの?」と疑問に思っても、「日本医師会」という専門家集団の強い意見であり、否定する根拠もないために、定額負担導入の議論は進みませんでした。

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