コラム

医療系の転職エージェントの紹介手数料が 爆上がりしています!

2023.7.20|その他

皆さん、こんにちは。ジーネット㈱代表取締役の小野勝広です。医療業界で転職エージェントを活用している医療機関は年々増えてきています。その一方で、利用はしてみたけど、一向に紹介されないとか、紹介はされるけれど求めている人材とは全く異なるとか、条件交渉ばかりされて辟易したとか、実際に採用したが早期退職されてしまったとか、高い手数料に見合ったサービスが提供されておらず、もう転職エージェントは使いたくないとか、一部の質の高い転職エージェント以外はお断りをしているというケースが増えているのも実情としてあります。

 

そんな中、医療系の転職エージェント、特に医師をメインターゲットとしているエージェントでは、紹介手数料を値上げしている会社が続出しています。

もともと医療業界では、初年度年収の20%という手数料率が多かったのです。いわゆる「相場」として、多くの会社がこの水準でした。ところが最近では、25%、30%、時には40%という高水準の紹介手数料に値上げをする会社が増えているのです。

もちろん民間企業において、「価格」というのは自由に設定可能で、需給バランスを見ながら、高度な経営判断として独自に決断するものです。

 

しかし医療系転職エージェントにおいては、そのプロセスに問題があるようです。私の耳にしたところでは、一方的に値上げを通告されて納得がいかないとか、値上げの理由が医療従事者の集客コストが上がったなど、自社内での努力で何とかすべきではないかというような医療機関のご意見がありました。

良い人材を、ベストなタイミングで紹介してくれるのであれば、まだ納得感があるのでしょうが、早期退職や、トラブルメーカーとなる人材を紹介するなど、今までの実績に不満があったりすると値上げするならもう利用しない、という判断になることもあるようです。

 

ただ私はこれを単なる紹介手数料の問題ではなく、医療業界が抱える構造的な問題があると考えております。

自費診療を除けば、保険収入以外に売上を上げることができない医療制度があるわけですし、赤字運営の病院も少なくないと伺います。収入を上げる手段が限定されているのですから、経営を改善しようと思えば経費削減しか打つ手がありません。紹介手数料を支払うならその分の給与を下げるなんてことになったら元も子もありません。

また人事部がなく、採用に専念できる担当者が存在する医療機関も少ないです。教育、研修などの育成や人事評価などは現場に丸投げされて、労務管理なども兼務の担当者が行うことが多いでしょう。本来人事部が持つ機能を医療機関では院長、看護部長、事務長や他のスタッフが業務の一環として行わざるを得ないのですね。これでは採用計画や採用戦略が組み立てにくいです。これが転職エージェントに頼らざるを得ない要因となっています。

 

そもそも医療は労働集約型産業なのですから、人材とは宝物のようなものだと思います。故に、ここへの投資は避けては通れないのではないでしょうか?しかし免許で守られている専門職ということを逆手に取っているのか、辞めたら補充すればよいと考えている医療機関も少なくないようです。

これでは転職エージェントの思うツボです。クライアントである医療機関の足元を見て、自社都合の値上げを平気で行う根本的な理由です。

 

私は医療機関も主導権を持って採用活動を行うべきと考えています。そして、求人誌や求人サイト、ダイレクトリクルーティング、オウンドメディアリクルーティング、ソーシャルリクルーティング、リファーラル採用、ヘッドハンティングなどの採用手法の一つとして、転職エージェント、人材紹介を検討すれば良いのではないでしょうか。

つまり、値上げに納得ができないなら、他の手法を取る。このような体制を整えないと、値上げしても使わざるを得ない状況に陥ってしまうのですね。
弊社も医師の転職エージェントの1社として、正直、根拠が薄弱な値上げに対しては疑問を感じますし、単に自社の売上が減少した分を価格に転嫁したのではないか?と腑に落ちないところは多いです。事実、弊社は値上げをしていませんし、する必要性も感じません。

 

ただ医療機関の採用担当者の方々からは、「本音を言うと使いたくない、でも使わざるを得ない」という言葉を何度も伺っています。しかもこんな値上げを容認してしまうと、今後もさらなる値上げが出てくるかもしれません。それに備えるためにも採用の仕組みが必要です。

また転職エージェント側も、値上げするならするだけの根拠を明示すべきですし、そもそもの紹介の「質」を高めるのが先決ではないでしょうか?長年に渡って活躍してくれる優秀なドクターを紹介できるなら、医療機関側もNOとは言わないでしょう。

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