コラム

難問を先送りし続ける「ゆでガエル政治」

2023.1.20|その他

昨年の12月2日に令和4年度第2次補正予算が成立しました。歳出の総額は約36兆円で、補正予算案としては過去最大です。問題は財源の約6割が国の借金である国債であることで、国債残高は遂に1千兆円を超えました。

債務残高の対GDP比を見ると、日本は主要先進国の中で断トツに悪い水準となっています。2022年時点の推計値では、日本:252.3%、イタリア:150.4%、米国:130.7%、フランス:113.5%、英国:107.1%、カナダ:103.9%、ドイツ:69.8%の順です。

日本については比較時点以降も新たに国債を発行しているため、更に悪化し続けています。欧米の主要国は、新型コロナの感染拡大やインフレ対応のために大幅な財政出動をしましたが、並行して赤字を埋め合わせるための増税策の議論を行っています。日本においては、防衛費増額のための増税の議論はありますが、累積する借金を増やさないための議論はなされてはいません。
日本のプライマリーバランス(PB)は、1992年度から赤字が続いています。PBが均衡した状態とは、行政サービスの支出を借金(国債)に頼らず、税収入等だけで賄っている状態です。ただ国債の利息は返済できていないため国債残高は膨らみます。利息まで含めて税収入等で賄えられれば、財政収支は均衡します。ただし累積している国債残高は減りません。

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