コラム

パワハラ防止法への対応

2020.5.20|その他

1年前の5月に改正労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)が成立しました。法律の施行は、大企業は今年の6月、中小企業は2022年4月からです。
医療法人はサービス業に分類され、職員数100人超が大企業扱いになります。6月に向けて既に対策済みかもしれませんが、確認の意味を込めてお伝えします。一方、小規模病院やクリニックの先生方にとっては2年先ですが、職員定着・確保のためには早期に対応されることをお勧めします。
パワハラはどのような職場でも起こり得るものです。独立行政法人労働政策研究・研修機構が平成24年4月に発表した「職場のいじめ・嫌がらせ、パワーハラスメント対策に関する労使ヒアリング調査」によれば、パワハラが起こる職場の背景・原因には以下の6つの要素があるようです。

医療機関は、医師の働き方改革で特別視されているような過重労働と、人の生き死にに直接関わるということでの他業種にはないストレスがあります。また組織が職種別・部門別に縦割りになり、個々人のプロフェッショナル意識が高いために、職場のコミュニケーション不足も生じがちです。
その他に症例件数を増やすことを目的とした成果主義や、職場における正規雇用、非正規雇用、派遣、業務委託などの様々な雇用形態の存在、ともすれば診療科ごと病棟ごと部署ごとに閉鎖的になってしまう職場、昭和世代の役職者のハラスメント意識の欠如など、医療機関にはパワハラが生じる原因が多く潜んでいるように思います。
では具体的に何が「パワハラ」になるのでしょうか?
厚生労働省が2020年1月に「職場のパワーハラスメント防止のための指針」(ガイドライン)を公表しました。パワハラの定義をより詳細に明記したほか、企業の講ずべき措置やパワハラに「該当する例」「該当しない例」などを示しています。
まず職場のパワーハラスメントとは、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える、または職場環境を悪化させる行為と定義しています。具体的には、次の3要素を“全て”満たす行為です。なお客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しません。

 

この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。

既存ユーザのログイン
   

一覧へ戻る