コラム

令和3年版防衛白書

2022.5.20|その他

令和3年版防衛白書
ロシアのウクライナ侵攻、北朝鮮の度重なる弾道ミサイル発射、中国による台湾や沖縄県尖閣諸島への侵攻の可能性など、日本を取り巻く周辺各国の軍事行動によって緊迫度が高まっています。
一方で、自衛隊法の第七条には「内閣総理大臣は、内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を有する。」とありますが、安部元首相以降の新型コロナウイルス対応の右往左往ぶりをみていると、政府の危機対応能力について不安が募ります。
2021年度の防衛関係費は、格段に速度を増す安全保障環境の変化に対応するため、前年度から547億円増額(前年度比
1.1%増)の5兆1,235億円。9年連続で増加しています。国防費をG7諸国、オーストラリア及び韓国と比較すると、図1のようにヨーロッパ諸国並みですが、対GDP(国内総生産)比は1%未満と最も低くなっています。

図1 主要国の国防費(2020年度)

第二次世界大戦の敗戦国のドイツも日本同様に国防費を抑制していましたが、今回のロシアによるウクライナ侵攻を機にGDPの2%を超す水準に引き上げると宣言しました。ちなみに北大西洋条約機構(NATO)は、加盟国に「2%以上」という目標を掲げています。
日本はNATO加盟国ではないですが、図2のように極東地域は中国が軍事力を年々増強しているため、日本にも在日米軍への財政支援を含めた国防費の増額が求められるかもしれません。韓国は2.61%であり、もし日本も2%以上ということになれば、GDPが横ばいならば約5兆円以上増えることになります。日本の財政状況を鑑みれば非常に厳しく、国防費のための消費税増税の可能性もないとは言えないでしょう。
現代の戦争は、宇宙・サイバー・電磁波の領域が重要になっています。
宇宙については、気象状況や部隊位置の把握など人工衛星からの情報は不可欠ですし、味方との通信手段としても欠かせません。
サイバー攻撃は、相手の活動を低コストで阻害可能な攻撃手法として認識されており、各国の軍隊はネットワークやシステムに侵入してマルウェアを埋め込むなどして、指揮統制や通信機能を無力化する能力の獲得を図っています。また情報の窃取や、電力や通信など国家・国民に不可欠な重要インフラ等を脆弱化させることができます。
電磁波は、相手方の通信機器やレーダー等に対して電波を発射すること等により、相手方の通信や索敵などの能力を低減・無効化することなどの目的で重要です。

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