令和3年版 環境・循環型社会・生物多様性白書 ~2050年カーボンニュートラルに向けた 経済社会のリデザイン(再設計)~
2022.1.20|その他
昨年の11月頃、テレビのトップで連日「コップ」のニュースを伝えていました。
C O P(コップ)とは、締約国会議( C o n f e r e n c e o f t h eParties)の略です。頻繁に耳にしたCOPは、11月にイギリスのグラスゴーで開かれていた第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)のことです。
地球温暖化問題への関心は世界的に高まっており、令和3年版の環境白書ではカーボンニュートラルをメインテーマにしています。
その理由は、2020年10月26日に当時の菅義偉内閣総理大臣が、国会の所信表明演説において、我が国として2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわちカーボンニュートラルを目指すことを宣言したからでしょう。更に2021年4月の気候サミットでは、2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指すと世界に表明しました。
日本は1970年代、2度にわたって生じた石油ショックを教訓として、官民を挙げて省エネルギー対策に注力してきた結果、エネルギー利用効率は非常に高くなっています。ただ利用している1次エネルギー源の9割以上が、化石燃料である石油、石炭、天然ガスになっているのが大きな問題です。
そのため日本はCOP26において、温暖化など地球環境対策に後ろ向きと認められた国が選ばれる「化石賞」を、環境NGOでつくる「気候行動ネットワーク」から、2019年のCOP25に続き2回連続で贈られました。日本は残念ながら地球環境問題への取組は後進国扱いであり、前首相の宣言も具体性がなく実現はかなり困難と言われています。
ただ地球温暖化の問題は、現在進行形であり待ってくれません。国内外で以下のような深刻な気象災害等が多発しており、かなり深刻な状況です。
●2020年の世界の平均気温は2016年と並んで観測史上最高。
米国デスバレーでは、8月16日午後3時41分(現地時間)に、過去少なくとも80年間で世界最高気温となる54.4℃を記録。
●IPCC海洋・雪氷圏特別報告書によると、地球温暖化の影響で、世界各地において、干ばつ、山火事及び洪水等が観測されていると報告。
●国内では、令和2年7月豪雨による洪水、竜巻被害が発生。日本の年平均気温は統計開始以来、最も高くなった。
環境白書の後半に、私たちの日々の暮らしの中で取り組むことのできる内容が紹介されています。

まず「住まい」については、家庭の省エネ対策としてインパクトの大きい断熱リフォーム・ZEH (ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)化と省エネ家電への買い替え、太陽光発電設備等の自宅設置があります。例えば消費電力の多いエアコンや冷蔵庫などは、壊れないため買い替えをするタイミングは難しいのですが、省エネ性能に優れた製品の場合、節約できる電気代を計算してみると、早めに買い替えたほうが実はお得なことに気づいたりします。
次に「食」については、日本では食べられるのに捨てられた食品が年間約600万トン発生しています(2018年度推計)。これは、国連世界食糧計画による食料援助量の約1.5倍にもなります。食品ロス対策については、すぐにでも個人的にできることはたくさんありそうです。例えば、消費期限が迫り値引き販売されている食品を積極的に購入するのは、自分の財布にも優しい食品ロス対策への貢献と言えます。
最後に「衣」、ファッションです。近年は「大量生産・大量消費・大量廃棄」による環境負荷の増大が国際的な課題となっています。その対策として、サステナブルファッションの奨め、具体的には以下の5つのアクションが紹介されています。
①服を大切に扱い、リペアをして長く着る。
②おさがりや古着販売・購入などのリユースでファッションを楽しむ。
③可能な限り長く着用できるものを選ぶ。
④環境に配慮された素材で作られた服を選ぶ。
⑤店頭回収や資源回収に出して、資源として再利用する。
昭和の高度成長期以前には、当たり前のようにやっていたことなのかもしれません。一方で現代ではリサイクルショップやインターネット上のフリーマーケットの活用など、資源の再利用の取組が楽にできる時代になっています。
まずは一人一人が地球環境問題を意識し、できることから取り組んでいくことが大切なのだと思います。