コラム

クリニックの院長の相談相手は誰?

2023.11.20|医療経営

皆さん、こんにちは。ジーネット㈱代表取締役の小野勝広です。今回は「クリニックの院長の相談相手は誰?」と題しまして、院長の相談相手について考えてまいります。

開業医の皆さんはクリニック経営に関しての相談相手はいらっしゃいますでしょうか? 分院長であれば理事長に相談できるでしょうが、オーナー開業医の場合はなかなか難しいかもしれませんね。
男性ドクターの場合は奥様、女性ドクターの場合は旦那様、時には事務長と、身内に相談できる人がいると安心感はありますよね。ただ難しいのは、意見が対立してしまった時に、仕事場だけでなくプライベートでも険悪になりがちです。これはキツイ…です。良い面と裏腹に悩ましい面もあるのが本音でしょうか。

また、多くのクリニックさんが税理士と顧問契約を締結されていることと思います。契約内容にもよりますが、少なくとも2~3ヶ月に1度、もしくは1ヶ月に1度程度、訪問してくれるケースも多いでしょう。では税理士は相談相手として相応しいでしょうか?
もちろん税務面や、お金の流れなどについては頼りになる相談相手ですね。優秀な方であれば守備範囲が広くて、他の様々な相談内容にも対応可能だと思います。
ただ、やはり餅は餅屋。例えばスタッフの採用であったり、育成・定着であったり、集患マーケティングやDX化の促進などについては専門家とは言えません。

 

それでは経営コンサルタントはいかがでしょうか? なかには開業コンサルタントがそのまま経営コンサルタントになるケースもあるようです。ですが、これも一長一短と言えるかもしれません。今までの経緯を理解していますので、その点では依頼をしやすいのではないでしょうか。ただ、そもそも相談相手を必要と感じているとすれば、開業コンサルタントに何らかの問題があるわけで、決して満足しているとは言い難いです。
そして、そんな不満が大きくなると別の経営コンサルタントへの依頼を検討されるかもしれません。ところがこの経営コンサルタントというのは正直選ぶのが相当に難しいのではないかと考えています。

知名度が高い経営コンサルタントですと、とにかく料金が高いですね。今までも何度か驚くような金額を提示されて戸惑うドクターからお話しを伺いました。弊社ですとこの金額の1/10で可能ですと伝えるとかなり驚かれていましたね。
もちろん大手の経営コンサルタントには、それだけのノウハウがあり、マンパワーも資金力も桁違いですので、他の追随を許さない圧倒的なコンサルティングを受けることができるのかもしれません。
しかし私は2点、注意すべきことがあると考えています。

 

ひとつは、いくら大手の経営コンサルタント会社でも、医療に精通している人はそう多くないように思います。もちろん事業会社などの多彩な経験が活きることはあるでしょうが、私はやはり医療業界、特に医療現場に精通していること、そして、なによりも医師をよく理解している人が相応しいように感じます。
医療に強いとアピールするコンサルタント会社もありますが、会社全体としては強くても、担当者個人が経験不足であったりしますと、それは相談相手として適切であるのか疑問です。

もうひとつは、なぜ相談相手が欲しいのか? そもそもの問題は何だったのか? なぜ経営コンサルタントを頼ろうと思ったのか? その目的を見失うことが多いように感じるのです。
壮大なプロジェクト内容や、とても見栄えの良い提案書を見せられて、もともとはそんなに大げさなものではなかったのに、いつの間にか話がどんどん進んでしまって、高額のコンサルフィーを支払うかどうかの瀬戸際まで来てしまうことがあるそうなんですね。
あくまでもコンサルティングとは『問題解決』です。解決しなくてもいい問題や、いずれ手を付けるべき課題など、そこまで全て含まなくてもいいのではないでしょうか?

 

最後に私どもの話を少しだけ。弊社は医師の転職支援とクリニックの開業支援が主業務ですが、ここ数年、ほんの数件ですが、経営コンサルタントとして依頼を受けることがあります。
弊社の場合は、大げさな経営コンサルタントではなく、身近な相談相手という立ち位置です。ですから月に1度訪問し、経営の悩み、スタッフの採用から定着、集患や診療スタイル、実に、様々なお話を伺い、アドバイスや解決方法の提案をしています。
つまり大手の経営コンサルタント会社などとは比較にならない地味なサービスです。ただ、お話をするなかで院長先生の表情が晴れやかになったり、誰に相談していいかわからなかったものが気軽に相談できてホッとしている様子を見ていると、クリニック経営における相談相手とは、そんなに大層なものでなくてもいいのではないかと感じたりします。

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