コラム

地域包括ケア時代に 必要なチームマネジメント力

2022.7.20|医療経営

重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される「地域包括ケアシステム」を実現するためには、多職種の協働・連携によるチームアプローチが必要不可欠になります。
医師は常にチームのリーダー的存在であり他職種から頼りにされますが、チームマネジメントは簡単ではありません。チームを機能させるには、果たしてどうしたら良いのでしょう。
Google社が生産性向上のためのプロジェクトを行った研究成果として、チームや組織の生産性向上には心理的安全性が重要であるということが結論付けられました。心理的安全性とは、組織や集団の中でも自然体の自分でいられる環境のことで、「psychologicalsafety」という心理学用語を日本語に翻訳した言葉です。
具体的には、チーム内において率直な意見、素朴な質問、そして違和感がある場合の指摘が、いつでも誰もが気兼ねなく言える状態のことです。メンバーの職種や職位、所属する組織の違いがある中で、この状態を創り出すのは容易ではありません。
リーダー的存在である医師は、メンバーが心理的安全と感じられない、つまり常に不安な状況であることを理解しておく必要があります。
不安な状況は図表のように主に4種類あります。
一つ目は「無知」と思われる不安です。質問をして「そんなことも知らないのか」と思われる不安から、どうしても発言することを躊躇してしまいます。専門外の分野の場合や職位が低い場合は特にそうでしょう。

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