コラム

困難な状況下におけるこころの健康の維持

2020.9.20|医療経営

7月中旬に慶應義塾大学大学院の前野教授の「科学で読み解く!業績を向上させる“幸せな職場のつくり方”」というオンライン・セミナーを受けました。ちょうど東京都などで新規感染者数が急激に増加していた頃です。医療現場で働く方々は、感染者受入れに対する不安や賞与支給額のカットなど、幸せから程遠い気持ちでいらっしゃったのではないでしょうか。
政府は、感染対策等に取り組む医療機関や医療従事者等を支援するために「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金」の支給を決めました。医療従事者の方々など計約310万人に慰労金として1人あたり5万~20万円を支給、7月20日から申請の受付が開始されました。
お金の支給は現場の方々の心にもちろんプラスに働くと思いますが、おそらく下図の左側のように一時的な幸せにしかならず、アベノマスクや10万円の特別定額給付金と同様に、いまさらこのタイミングで受け取ってもという感覚になるのではないでしょうか。
1948年にWHO(世界保健機関)が出した憲章において、健康とは、身体面、精神面、社会面における、全ての wellbeingの状況を指す旨が定められています。下図の健康、心、安心は、well-being=幸福な状態に求められるものです。

 

今回の新型コロナウイルス感染症は、国民に以下の3つの感染症を引き起こしています。

政府が優先して対応すべきなのは、第二波、第三波が来た際に、医療現場で働く方々の身体の健康、精神の健康、社会的に安全で安心な環境を守ることです。「新型コロナウイルス感染症患者を受け入れている医療機関の職員の子供が、保育園の登園の自粛を求められた」、「医療機関での業務終了後、タクシーに乗車しようとした際、乗車を拒否された」、「馴染みの定食屋等から来店しないでほしいと言われた」などの社会学的感染症が実際に発生しているようです。厚生労働省が啓発用チラシを作ったり、安倍首相が記者会見で簡単に触れたりしていますが、対策は充分とは言えないでしょう。
感染症対応に従事している方々やその家族の方々がさらされている「3つの感染症リスク」への対策として、日本赤十字社が「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対応する職員のためのサポートガイド」を策定しています。内部職員向けに作成したものですが、下表のような感染症対応に従事されている方々等にも役立つ内容ということでWebsiteにて公開されています。医療機関の経営者やリーダーの皆さんにとって、困難な時期を乗り切るための参考の一助になると思います。

出典:日本赤十字社Website(http://www.jrc.or.jp/activity/saigai/news/200330_006139.html)

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