身近に迫るサイバー攻撃への準備
2020.11.20|医療経営
9月4日に日本医師会館内の事務局LANに接続しているパソコン端末1台がコンピュータウイルス「エモテット」に感染し、同端末上のメールソフトで過去にやり取りをした関係者の名前を騙る不審メールが、日医やこれらの関係者とは全く無関係なサーバより送信されました。原因は、受信したメールに添付されていたWordファイルを開いたためで、ウイルス対策ソフトによる駆除ができなかったようです。
セキュリティ会社による調査では、9月1~10日だけでエモテットと疑われるメールが2,244件。2019年以来のいわゆる第2波が襲来しているようです。
レセプトのオンライン請求やクラウド型の電子カルテ、新型コロナウイルス禍で広まったオンライン診療やWeb会議など、医療現場のインターネット活用範囲は拡大しています。
また働き方改革を進めるためには、生産性の更なる向上、業務効率化のための情報化は必要不可欠です。
一方で、インターネットなどのコンピュータネットワークには悪意ある利用者も存在します。特に「患者の病歴」や「医師等の健康診断等の結果」、「医師等による指導・診療・調剤」などの要配慮個人情報を保有する医療機関は狙われる可能性は高いように思われます。
過去に医療機関が狙われた代表的な事例は、2018年に奈良県宇陀市立病院における電子カルテシステムのウイルス感染。システムデータが暗号化され電子カルテが利用不可能となりました。2019年に長崎県佐世保共済病院で起きたコンピュータウイルス感染被害では、患者受入が制限されました。この他にも被害を公表せずに泣き寝入りをしている事例もかなりあるのではないでしょうか。
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