コラム

コロナ禍に求められる幸福経営

2021.7.20|医療経営

コロナ禍をはじめ先の読めない不透明な時代に、改めて『幸福とは何か』を問い直す動きが強まっています。幸せを科学的に分析する『幸福学』を研究する前野隆司慶應大教授の著書『幸福学×経営学』という本にあるように、医療機関経営にも『幸福学』の考え方が参考になりそうです。

コロナ禍が1年以上続き、国民に以下の3つの感染症を引き起こしています。

特にコロナ禍の最前線で働く医療機関の職員は3つの感染症全てにさらされており、長期戦を続けるためには満足を超えた幸福が必要とされているように感じます。

1948年にWHO(世界保健機関)が出した憲章において、健康とは、身体面、精神面、社会面における、すべての well-beingの状況を指す旨が定められています。下図のように幸福には三段階あり、土台となる「心と体の健康」や「つながり・愛」がなければ成功は難しく、たとえ成功したとしても犠牲が大きいためにおそらく長続きはしないでしょう。

医療機関において、感染リスクを避けるために家族との生活もままならず、長時間働いた見返りに、特別な賞与を出したり、昇進を提示したりしたとしても、一時的な満足による効果があっても、長期間に亘って同様の方法が通用するとは思えません。「心と体の健康」や「つながり・愛」による幸せを積み上げるための組織的な取組が必要だと思います。

しかし取組と言っても普段から実施している医療機関は少ないでしょうから、いざという時の対応は難しいところです。参考までに日本赤十字社が「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対応する職員のためのサポートガイド」を策定しています。感染症対応に従事されている方々等に役立つ内容でありWebsiteに公開されています。
その他にも厚生労働省が、感染症対策に取り組む介護施設等の職員に生じる心身の負荷に対する支援目的で、「新型コロナウイルス感染症に対応する介護施設等の職員のためのサポートガイド」を作成しています。

医療機関の経営者や現場のリーダーの皆さんにとって、困難な時期を乗り切るための一助になると思います。

 

この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。

既存ユーザのログイン
   

一覧へ戻る