インフレと少子高齢化が 影を落とす将来の公的年金
2023.3.20|ライフプラン
1月20日に公的年金(国民年金、厚生年金)の改定額が公表されました。2023年度の支給額は、68歳以上で前年度比1.9%増、67歳以下で2.2%増となり、3年ぶりに増加します。ただし22年の物価上昇を考えると、実質的には減額と言えます。
年金額は、経済状況の変化に対応してお金の価値を維持するために、毎年度、金額が見直されます。見直しのルールは、「物価上昇率と賃金上昇率の状況による調整」と、「年金財政健全化のための調整(いわゆるマクロ経済スライド)」の2種類です。
まず「物価上昇率と賃金上昇率の状況による調整」について説明します。
年金財政を維持するために、主な収入である保険料の伸び率(≒賃金上昇率)を超えないように調整しています。具体的には、年金額は直近1年間の物価変動率と過去3年度分の賃金変動率をもとに改定されます。
下図のように新裁(新規裁定者:新たに年金をもらい始める人)と、既裁(既裁定者:既に年金をもらっている人)では改定率は異なります。原則として65歳からの受け取りですので、ここでは65歳受取開始の前提で説明をします。
この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。