コラム

共同でのクリニック開業は ありか?なしか?

2022.7.20|ライフプラン

皆さん、こんにちは。ジーネット株式会社の小野勝広です。今回は「共同でのクリニック開業はありか? なしか?」と題しまして、様々な形の共同開業を考えてみます。

私自身、今までクリニックの開業支援を手掛けるなかで、何件かの共同開業のお話を受けたことがあります。大別すると、①同僚や先輩後輩などの医師同士、②お互いが医師同士のご夫婦、③医師同士の兄弟や姉妹、このようなケースがありました。
いきなりここで断言しますが、①はやめましょう。できるだけ避けましょう。②は専門科目が被らなければありですが、同じ科目の場合は慎重な検討が必要です。③はありです。
ひとつずつ解説いたします。まず①の同僚や先輩後輩の医師同士のパターンですが、実際に失敗したケースを何件か知っており、その経験がある先生からは、「小野さん、絶対にやめたほうがいいと皆さんに伝えて!」とも言われております。
しかも私が開業をお手伝いしたなかでも、残念ながら仲違いして離れてしまったケースがあります。
ここには共通点がありまして、人間というのは不思議なもので、立ち上げ当初など、大変な状況のなかでは一致団結、協力して取り組むことができるのですが、経営が上手く行き始めると揉めてしまうものなんですね。
やれ院長より俺のほうが稼いでいるとか、俺のほうが患者に支持されてるとか、俺のほうが優れた技術を持っている等々…です。私の知るケースでは、勤務医の平均よりも倍以上の年収が出ていても納得できず揉めてしまい、自信過剰になってしまったのか、ご自身で開業したようですが、その後の話はあまり聞きません。
盛業する前までは、強固な信頼関係と適切な協力関係があり、そもそも気の合う仲間でビジョンもかなり近かったのに、それでも関係は壊れてしまうのです。
もちろん日本全国で探せば成功事例もあるとは思いますが、長年の関係が壊れてしまうのは淋しいものですよね。経営はシビアですし、そもそも「船頭多くして船山に上る」とも言われます。トップが2人以上の組織は機能しにくいものかもしれませんね。

次に②のご夫婦ですが、これは①と比較すればずっと成功し続ける可能性が高く、私は割と好意的です。ただ専門科目が同じですと、辛いところもありそうです。帰宅してから、今日のあの患者さんなんだけど…みたいな話になるのは大変ですよね。ご夫婦の関係性によってはそんな話にはならないのでしょうが、ベストとしては専門科目が異なり、お互いの領域には踏み込まない関係がよろしいかと思います。
医師同士のご夫婦では、一緒に開業するだけでなく、1人は開業医、1人は勤務医という形もよくありますが、これも生活のリスクヘッジとしては機能しそうですね。

この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。

既存ユーザのログイン
   

一覧へ戻る