アフターコロナ時代の 医師のキャリア
2020.7.20|ライフプラン
皆さん、こんにちは。ジーネット㈱の小野勝広です。
私たちの生活もようやく落ち着きを取り戻しつつありますが、ウィズコロナという考え方は今後も持ち続けねばなりませんね。今回のお題は、「アフターコロナ時代の医師のキャリア」と致しました。
まずはじめに申し上げたいのは、人生やキャリアについて考える際には、「オープンクエスチョン」という概念を頭に入れておいた方が良いということです。つまり無理に結論を出すのではなく、問題や課題をそのまま仕舞っておき、何かの時に取り出せるようにしておくのです。非常時に出した答えは平常時になれば不要となるやも知れず、いかにして問題、課題を念頭に入れておけるかは、今後の冷静な判断に必要不可欠と思います。
それから今回の新型コロナへの対応について医療従事者の皆様の献身の尊さが心に沁みました。ごく一部に心無い発言をする方もいましたが、おそらく国民の多数が医療を崩壊させてはいけないと、医療従事者に感謝とエールを贈ったことでしょう。
しかし、そんな最中で起きたのは、
❶受診控えによる患者減少が医療機関の経営を圧迫
❷人件費カット ・非常勤・スポットの打ち切り・常勤ドクターの給与ダウン
です。
❶に関しては、地域や診療科目にもよりますが、開業医には多大なる影響が出たのは事実です。助成金や補助金を活用して是非とも捲土重来を期して頂きたいです。
問題は❷でしょうか。ごく一部で常勤医師の給与一律カットという話を伺いましたが、何より非常勤・スポットで働く先生方の雇い止めが急激に増え、特に大学院生など安定的な収入源がない方々が窮地に陥ったことは想像に難くありません。私どもにも新たなバイト先を探して欲しいというご依頼が急増しましたが、求人自体が急減している中ですので、困難を極めたことは率直に申し上げておかねばなりません。
こういう中で、非常勤・スポットを中心に働いていたいわゆるフリーランス医師にどんな影響があったのか?
何もなかったとは思えません。なかには収入がゼロ、または急減した先生も少なくないと思われます。そこで今後のアフターコロナ時代に、医師はどういうキャリアを選択すべきか?ですが、実は今までと大きく変わらないと考えています。ただし何か一歩を踏み出そうとする時には、今まで以上に情報収集をして判断材料を吟味し、その上で決断する必要があるでしょう。
例えばクリニック開業です。この状況下で影響がなかった開業医は非常に少ないでしょう。皆さん結構な影響を受けつつも知恵と工夫で乗り越えようとしていることと思います。そして、これから新規開業を目指す先生は、相当の覚悟と戦略がなければ開業準備のスタートは厳しいでしょう。
また今までフリーランスやそれに近い働き方をしてきた先生は、今の働き方で良いのか? 実に悩ましいのではないでしょうか。育児中、介護中など、いかんともしがたいケースを除き、特段の理由がなくフリーランス的に働いてきた先生は、不労所得やビジネス的な収益でもない限りはリスク回避に動かざるを得ないでしょう。
最も安定的だったのは勤務医かもしれません。もちろん勤務医とひと括りにまとめてしまうわけにはいきませんし、一部では想定外の事態に巻き込まれた話もありますが、概ね大きな不安を抱くことなく働いていた先生が多いように思えます。
さてアフターコロナ時代の優先順位は、まずリスク回避、安定志向、その上で自分らしいキャリアの実現となることが予想され、その意味では勤務医としていかにより良い常勤先に勤めるか? これが最初の分岐点となると考えています。条件が良く、労働環境が整備されている常勤先は採用時の競争倍率が高くなるかもしれません。
その一方で苦しくなりそうなのが大学病院や自治体病院ではないでしょうか? コロナ感染患者への医療の最前線として機能し、多くの人命を救い、社会的使命が高い一方で、個々の医師にとってはリスクが高いことが証明されました。
民間病院よりも条件面で恵まれていない現実もありますから、医師にとって今後の職場としてどう位置付けられるのか? 思案のしどころのように思います。
故に冒頭申し上げたように、現段階では医師の今後のキャリアについてはオープンクエスチョンとしておくべきです。
今後の情勢変化を見極めながら慎重な決断が必要になることでしょう。そして、その根幹には練りに練ったキャリアプランがあるとより良いでしょう。