医師人生の選択で 後悔しないためのマーケティング策とは?
2021.3.20|ライフプラン
皆さん、こんにちは。ジーネット㈱代表取締役の小野勝広です。医師人生は、必ずしもクリニックを開業しなければならないわけではなく、勤務医として働き続けても良いのですから、マーケティングを医師の皆様すべての方が学ぶ必要はありません。ですが、私はこれからの時代を考えると、開業医だけでなく、勤務医の皆さんもマーケティング的な発想を持っておいた方が良いと考えています。
理由は2つ、ひとつはパーソナルブランディングが医師にも必要になってきていること、もうひとつはウィズコロナの時代となり、先行きが不透明な時代になる中で、将来に備えて様々な準備や計画が必要になっていること、この2点です。
つまりクリニックの開業など考えていない先生でも、いつか考えざるを得ない事態に直面するかもしれません。またこれからは勤務医としても医療機関経営や集患マーケティングに関わることもあるかもしれませんし、個人としてもマーケティングの知識や経験は副業や兼業を見越して身に付けておいた方が良いかもしれませんね。
ではマーケティングとは何か?ですが、様々な団体や学者が定義をしています。比較的わかりやすい言葉で説明しているWikipediaによりますと「企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにするための概念である。また顧客のニーズを解明し、顧客価値を生み出すための経営哲学、戦略、仕組み、プロセスを指す」となっています。
昨今では、言葉は悪いですが、引っ掛けのようなマーケティングが花盛りです。せっかくネット社会が到来し、情報発信も、情報収集も容易になったのに、騙しのようなマーケティングでは意味がないどころか、罪悪とも言えるかと思います。
特に医療機関においては、平成29年の通常国会で医療に関する広告規制の見直しを含む医療法等改正法が成立し、平成30年に医療広告ガイドラインが示されました。
賛否両論はあると思いますが、おそらく当たり前だよねと捉える医療機関もあれば、なぜここまで厳しくするんだ?と憤慨している医療機関もあるかもしれません。しかし医療は国家のインフラとも言え、必要以上の広告は問題であるのは自明です。むしろ今までが放置され過ぎていたと私は感じます。
医療に限らず、これからのマーケティングに必要なのは、宣伝広告ではなく、正しい情報提供であると考えます。つまり、現状をより良く見せようとしたり、誰でもかれでも来院して欲しいという情報提供をしたりするのではなく、ありのままの姿を、正確にお届けし、患者に選んで頂くことが肝要です。
例えばですが、先日私は自分の治療をしたく、歯医者さんをネットで探しました。近所の歯科医院をしらみつぶしにチェックしたのですが、選んだところは、「生涯、お口の健康を維持する」という理念を掲げ、「できるだけ歯は削らない、できるだけ歯は抜かない、病気を未然に防ぐ予防を中心に治療する」という方針を掲げているクリニックでした。
正直、ホームページはひと世代前のイメージですし、写真や動画は少なく、文字が多く、決して今風のサイトではありませんでした。
しかし、この文言に関心を持った私はこちらの歯科医院に現在通院しています。そして結果的には正解だったと感じているのです。
患者側の心に刺さる「ワード」が入っていて、なおかつそれがクリニックのありのままを伝え、院長の方針や思いが患者にわかるように、平易な言葉を使うことが必要ではないでしょうか?
もしこちらのホームページが、歯周病やインプラントについて詳しく解説していたら、私は選ばなかったと思います。「削らない、抜かない、予防中心」という言葉、そしてそれが信用に足るのではないかという期待感を持たせてくれたのが良かったのです。
あくまでもこれは一例ですが、マーケティングとはすべからくこうあるべきではないでしょうか?
私の本業である医師の転職支援やクリニックの開業支援でもマーケティングはひどい有様です。高条件の求人で医師を釣ろうとする、開業物件で釣ろうとする、引っ掛けのようなものがほとんどです。これでは数を追って質を低下させることになりかねないと私は感じます。
クリニックであれば、自院を選んで欲しい患者層を明確にターゲティングし、その方々が興味関心を持つような内容を率直に伝えるのが良いと思います。
私は、マーケティングに嘘偽りやオーバートークがあってはならないと考えています。実際に来院して頂けても、ガッカリさせてしまえば長く通院はしてくれませんし、期待外れは口コミ等に悪く書かれる可能性も出てきてしまいます。
患者側に立って、ありのままの情報を届ける。医療機関のマーケティングはここからスタートです。そして医療機関以外でも同様であると考えます。