コラム

Z世代の歯科衛生士が 定着する職場づくり

2022.7.20|歯科経営

全国歯科衛生士教育協議会の調査によりますと、2018年度の歯科衛生士の求人倍率は20.7倍。求人人数が13万人超であるにもかかわらず、6,298人しか就職していません。
この傾向は以前から続いており、歯科衛生士の人手不足は慢性化しています。要因としては歯科衛生士を必要とする歯科診療所が多いこと、歯科衛生士の現職者の9割程度が女性であり出産や育児といったライフイベントを機に退職してしまう人が多いこと、歯科衛生士の学校の2020年度入学者は8,012人ですが、入学者が定員に満たない学校が61.3%もあり、そもそも新たな成り手が絶対的に不足していることなどです。
新規や中途採用が重要なことは言うまでもありませんが、雇用している歯科衛生士の離職防止はそれ以上に大切になってきます。ある人材採用会社によるアンケート調査によりますと、歯科診療所に就職を決める際に重視すること(複数回答)は、給与(85%)、スタッフの人柄(80%)、職場の雰囲気(76%)という順になっています。給与は周辺の歯科診療所の相場を参考にして決められるため、職場の人間関係を良くすることが若手の歯科衛生士の採用や離職防止のポイントになりそうです。
1990年代後半以降に生まれた20代の人たちは「Z世代」と呼ばれています。世代と言っても当然に一人ひとりには違いがあり一括りにはできないですが、若手の歯科衛生士との人間関係をより良くするために、Z世代の傾向を知っておいた方が良いでしょう。
図表は、若手が抱く理想の職場・上司像です。10年前と比較していますが、この10年間で明らかに変化があったことが分かります。以前に理想的だったと思われる要素、具体的には、職場で同じ目標を共有する、互いに切磋琢磨して成長する、活気のある職場や、強いリーダーシップがあって、時には厳しい指導をするが情熱のある上司の選択率が下がっています。代わりに、互いに個性を尊重しあいながらも助け合うような職場、ほめること・傾聴、一人ひとりへの丁寧な指導を、職場や上司に求める若手が増えているようです。

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