コラム

令和5年版 交通安全白書

2023.9.20|その他

令和5年版 交通安全白書

令和5年4月1日から全ての自転車利用者に対して、乗車用ヘルメットの着用の努力義務化になったためか、交通安全白書では自転車の安全利用の促進を特集しています。

乗車用ヘルメットの大切さを理解するために、交通事故統計を見てみます。下図のように自転車乗用中の死者・重傷者・負傷者の損傷程度が最も重い部位(死亡の場合は致命傷の部位)を見ると、死者の場合は頭部の損傷が致命傷となるケースが半数以上を占めています。重傷者の場合は脚部が約4分の1と一番高い割合ですが、頭部も2割弱を占めています。

道路交通法上では自転車は軽車両と位置づけられていますが、免許が不要であることもあって、自転車に関する交通ルールはあまり知られていないのではないでしょうか。

危険な違反行為(下図の15類型)を3年以内に2回以上繰り返した自転車運転者(14歳以上)は,都道府県公安委員会の命令で「自転車運転者講習」を受講しなければなりません。

ただ❹のような歩道通行による通行区分違反や、14の傘をさして運転する安全運転義務違反など、かなりの人が危険な違反行為を行っているように見受けますが、取締りは緩い感じがします。

また運転している人も、自分が違反をしていると自覚していない可能性が高そうです。

自転車の規則で特に重要なのが、「自転車安全利用五則」です。
【第1則】車道が原則、左側を通行。歩道は例外、歩行者を優先
【第2則】交差点では信号と一時停止を守って、安全確認
【第3則】夜間はライトを点灯
【第4則】飲酒運転は禁止
【第5則】ヘルメットを着用

まず第1則、自転車は原則として車道を走行しなければなりません。ただし、次の場合には例外的に歩道を通行することができます。
・道路標識等により歩道を通行することができることとされているとき。
・児童や幼児(13歳未満の子供)、70歳以上の高齢者であるとき。
・車道又は交通の状況に照らして、普通自転車の通行の安全を確保されているためやむを得ないと認められるとき。(道路工事や連続した駐車車両などで通れない等)
違反をした際の罰則は、「3ヵ月以下の懲役又は5万円以下の罰金」と定められています。
また自転車が車道を通行するときは、自動車と同じ左側通行です。罰則は、同じく「3ヵ月以下の懲役又は5万円以下の罰金」と定められています。
自転車が歩道を通行する場合は、車道寄りの部分を徐行しなければなりません。歩行者の通行を妨げるような場合は一時停止しなければなりません。罰則は、「2万円以下の罰金又は科料」です。

第2則、自転車は道路を通行する際は、信号機等に従わなければいけません。
歩行者用信号機に「歩行者・自転車専用」の標示のある場合は、歩行者用信号機に従わなければなりません。歩行者用信号機の青色信号の点滅の意味は、黄色信号と同じです。罰則は、「3ヵ月以下の懲役又は5万円以下の罰金等」です。
一時停止標識のある場所、踏切などでは、必ず止まって左右の安全を確認しなければなりません。罰則は、「3ヵ月以下の懲役又は5万円以下の罰金」です。

第3則、夜間にライトをつけていない場合は、罰則は「5万円以下の罰金」となります。

第4則、自動車の場合と同じく、酒気を帯びて自転車を運転してはいけません。また酒気を帯びている者に自転車を提供したり、飲酒運転を行うおそれがある者に酒類を提供したりしてはいけません。罰則は他よりも厳しく、「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」(酒に酔った状態で運転した場合)です。

第5則の乗車用ヘルメットの着用については、「努力義務」となっています。違反したとしても罰則は科せられません。ただ例えば事故で頭部にケガをした場合に、ヘルメットの着用を怠ったとして本来支払われるはずの賠償額が減額されたり、自転車側の過失割合が大きくなったりするなど不利益をこうむる可能性があります。

自転車の場合でも、交通違反をすると懲役や罰金の刑に課されることを知らない人がほとんどだと思います。自分自身はもちろんのこと家族も含めて、転ばぬ先の杖として自転車の交通ルールについて知っておく必要があるでしょう。

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