歯科医院に来ない顧客を 引き寄せるには?【前編】
2023.7.20|歯科経営
自院に通院している患者については、直接話をしたり、アンケートを実施したりすることで、要望や満足度を知ることができます。一方で、自院に来ない顧客=未顧客について知る機会はほとんどありません。増患するためには、未顧客についても知る必要があるでしょう。
歯の衛生分野においてシェアNo.1企業のライオンは、2022年9月28日~10月3日に、『歯科医院で受ける歯科健診』について15~69歳の男女計1,000名を対象にインターネット調査を実施しました。
未顧客を知る一助になりますので、調査結果を考察してみます。
1.歯科健診の頻度
歯科医院で1年に1回以上定期的に歯科健診を受けている人(定期的受診者)は44%で、女性の方が男性に比べて受診率が高い結果でした。また30代以降で10代、20代より受診率が高まる傾向が見られ、60代の受診率が一番高いことがわかります。
考 察
歯科健診を受けていない人が37%、不定期受診者が19%であり、かかりつけの歯科医をもっていない人が半数くらいいる可能性がある。未受診者は男性の方が高いが、女性も半数弱であり、性別、年齢階層別を問わず、未受診者が半数くらいはいる。
2.歯科健診の満足度
歯科医院で1年に1回以上定期的に歯科健診を受けている人(定期的受診者)の85%が歯科健診への満足度が高く、不定期に歯科健診を受診している人よりも30%以上満足度が高くなっていました。
定期的受診者は自宅でのセルフケアにも積極的で、洗口剤、デンタルフロス、歯間ブラシの使用率が、 非受診者よりも高いようです。
考 察
定期的な受診を習慣づけることができれば、健診に満足し、かかりつけの患者にできる可能性が高まる。またセルフケアのための商品を歯科医の視点で薦めれば、継続的に購入をしてくれる可能性がある。
3.健診非受診者の歯科健診内容の理解度
非受診者において、「歯科健診の内容がよくわからない」と答えた人は、どちらともいえないと回答した人も含めると86%。「歯科健診でむし歯や歯周病などの予防処置をしてくれるなら、定期健診を受けたいと思うか」と質問した結果、27%が健診に行くと答えました。
考 察
歯科健診の内容は歯科医にとっては当たり前でも、一般の人はわかっていない。予防処置の内容を自院のホームページなどで説明すれば、理解度が高まり受診に繋がるかもしれない。
健診非受診者について更に理解するために、㈱soeasyの公式インスタグラムストーリーズアンケート機能による『歯科に関するアンケート(2022年9月)』をみてみます。
歯科健診に行ってない「理由」(下図1)は、「苦手」(283票36.7%)「面倒」(270票 35.0%)が1位2位で全体の7割を占め、必要性は感じているものの、心的ハードルが行かない理由になっているようです。
図1 定期チェック(予防歯科)に行っていない理由(n=772)

更に行かない理由で1位となった「苦手」について、深掘りした質問に対する回答(下図2)は、「痛いのがいや」(372票34.8%)が1位「音がいや」(294票 27.5%)も苦手な理由としては多く、痛み、音、に対してのケアが苦手意識を克服するポイントになりそうです。
行かない理由で2位となった「面倒」について、深掘りした質問に対する回答(下図3)は、「予定を調整して、予約するのが面倒」(434票39.2%)という結果が1位。予約システムの改善は、他のサービス業の取り組み事例などを参考にできそうです。
骨太の方針2022で「国民皆歯科健診」が掲げられたこともあり、今後、歯科健診に対する意識が少しずつでも高まる可能性があります。
紹介したアンケート結果については、歯科医の方々にとって自明のことであり、未顧客である健診非受診者を顧客にするために、既に様々な工夫をしている歯科医院は多いと思います。紙幅の関係で歯科医院の取り組み事例については、改めて紹介をします。
図2 歯医者さんの何が苦手?(n=1,068)

図3 歯医者さんの何が面倒?(n=1,107)
