コラム

長い医師人生、戦略的なキャリアキープや キャリアダウンもあるのでは?

2020.9.20|ライフプラン

皆さん、こんにちは。ジーネット㈱代表取締役社長の小野勝広です。
さて、ウィズコロナの時代、ご自身のキャリアの方向性が見えにくくなり、動くに動けない、キャリアプランがストップしてしまっている、という先生も少なくないと思われます。
そこで今回のテーマは「長い医師人生、戦略的なキャリアキープやキャリアダウンもありですよ!」として考察致します。
まず現状分析として、転職を検討していた医師、アルバイト先を変えようと思っていた医師には大変心苦しいですが、多くの医療機関が採用をストップしている、また募集枠を著しく絞り込んでいることを率直にお知らせしなければなりません。
私共は、医療機関とは日常的にやり取りを行っていますが、新型コロナが蔓延し始めてから病院、クリニックともに非常勤、スポットの案件が急激に減少しました。実際にアルバイト先から雇い止めを通達された先生も多いですね。それに加えて昨今では先行き不透明な状態が続いているために、常勤においても求人は減少、相当に限定した採用状況となっています。
端的に申し上げて、この売り手市場から買い手市場への変化の最中に転職活動を行うと、ライバルは多く、条件面も下がり気味ですので、可能ならば時期を変更された方が無難です。
しかし既に退局を申し出ている等、ご事情があっての転職の場合はそうも言っていられませんね。この場合は求人条件の良し悪しに翻弄されるのではなく、真摯に話し合いに応じてくれる医療機関を選ぶのが望ましいです。この時期、普段医師を採用できないブラックな医療機関が高条件を提示してきますので注意が必要です。
またクリニックの開業についても、延期もしくは中止を決断される先生もいらっしゃいます。その一方で、今やらねば機会を逸すると断固たる思いで開業準備をスタートする先生もおられます。もちろん通常以上に慎重なプランを考えるべきですが、投資の格言にもあるように「人の行く裏に道あり花の山」という発想はあっても良いと思います。

ただここで考えるべきは「今」とか「次」だけでなく、中長期的なキャリアプランです。
キャリアプランというと、どうしても先生方は「キャリアアップ」を念頭に浮かべる訳ですが、必ずしもキャリアアップだけとは限りません。
むしろ時と場合によっては、<敢えて>「キャリアキープ」や「キャリアダウン」を設定した方が中長期的な視点で見ると効果的なケースすらあるのです。
ウィズコロナの時代は、まさにその一つと考えることができるでしょう。今、キャリアアップを願っても転職マーケットが停滞している最中ですから、良い選択肢を得ることができない可能性は高いです。であれば、今は「キャリアキープ」の時期であるとキャリアプラン上に設定するのが賢明ですね。
また出産、育児中の女性医師や、両親の介護をせねばならないタイミングなども、キャリアキープ、場合によってはキャリアダウンを設定しても良いでしょう。

以前にハードワークを続けてきた心臓血管外科の先生が、今まで殆どお子さんに関わっていないことを猛省し、受験時期だけは自分が教えると決断し、期間限定で心臓血管外科医を止め、一般内科の外来だけを平日の日中だけ行ったというケースがありました。
これなどは<敢えて>キャリアダウンを選んだケースですが、人生の選択としてあって良い決断だと思います。
20代半ばから医師として働き始め、仮に70歳で引退するとしても45年ほどある訳です。定年のない医師の場合は50年、60年働く先生も少なくありませんね。
ゆえに、キャリアプランとは中長期的な視点を持って考えるべきなのです。ある一定期間、キャリアキープをする時期、キャリアダウンを敢えて選択する時期、こういう期間があっても中長期的には何ら問題ありません。むしろこういう期間をもキャリアプランに組み込むことで、QOML(Quality of Medicalstaffs’ Life)は上がっていくのではないでしょうか?
結論として、医師人生は長いためキャリアに焦りは禁物です。中長期的にキープやダウンも受容しながら、より良い医師人生を送りましょう。

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