既に起こった未来 2040年問題を考える その3
2020.9.20|医療政策医療経営
“バックキャスティング”という言葉を耳にされたことはありますか。「未来」を起点とし、逆算して「現在」を考えることです。
現在の延長線で未来に向けて進んでいても、2040年問題への適応は難しいのではないでしょうか。
車を運転していると視線上にあるものは目に入れますが、まったく違う方向にあるものに気づくことはありません。経営や個人のキャリアも同様です。日々の忙しさに追われていると、現在の延長線上から外れないように走ることで精一杯になってしまいます。
2040年の医療機関を取り巻く環境は大きく変化します。その未来に否が応でも対応しなければなりません。その方法を二つ挙げます。一つ目は、現在を起点にして将来を予測する方法、フォーキャスティングです。二つ目は、将来を起点にしていま何をすべきか考える方法、バックキャスティングです。
まず「現在の延長線上に想定される未来」については、5月号で整理しました。
次に「望ましい未来の姿」ですが、個人の価値観の違いがあり一つに決めることは難しいでしょう。ただ総論賛成になり得る考え方として、診療報酬改定時に示される基本的視点が参考になります。この視点は1番目を除いて過去から踏襲されており、2040年に向けても変わらないでしょう。令和2年度診療報酬改定の基本的視点は、以下の4点です。
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