患者が来院しやすい ウィズコロナ時代のクリニック再構築
2021.1.20|ライフプラン
皆さん、こんにちは。ジーネット㈱代表取締役の小野勝広です。昨年の4月に緊急事態宣言が出され、全国の医療機関で患者の受診控えが起こり、コロナ対策と並行しながらの医業経営は大変に難しいものであると思います。一時期と比較すればだいぶ回復傾向にあるようですが、第3波も拡がりを見せる中で、小児科や耳鼻咽喉科など、いまだ苦しい状況にあるクリニックは少なくないでしょう。
政府も各種助成金や補助金など対策は打ち出していますが、決して経営自体が楽になるレベルではなく、今後どうすべきかと悩ましく思う院長は多いのではないでしょうか?
そこで今回は、今後クリニックはどんな対策を打つべきか?について考えてまいります。
既にアルコール消毒や除菌シートの設置や、サーモカメラや非接触型の体温計での検温、受付や待合室にアクリル板を設置するなど、様々な感染対策が行われていますし、空気清浄機や窓を開けるなどの換気、場合によっては入場制限や受付制限をされているクリニックも見受けられます。
スタッフさん一同、院内の清掃や消毒にもかなり気を使われており、これらの努力たるや頭が下がる思いです。
しかし、これらの感染対策はどこのクリニックでも行われていることです。故に、ウィズコロナ時代に選ばれるクリニックになるためには、更に1歩進んだ手を打つべきと考えます。
まず検討したいのは「予約システム」の導入です。実際には既に導入が進んでいる医療機関も多いですが、やはり患者は院内の滞在時間をできるだけ少なくしたいと考えています。来院前にスマホやパソコンから予約を取り、来院して受付を済ませたら、すぐに診察してもらえる。このような体制を作るのは必須事項と言えるでしょう。
また更に進めて、「問診システム」導入も併せて検討して良いかもしれません。予約を取る際に問診の入力も促し、来院後の手続きを減らすことも院内滞在時間を短縮する妙手と言えるかもしれません。
ついでに「受付システム」も導入し、スタッフが対応せずとも、患者が来院後にスマホを翳すだけで受付を完了させてしまえば、非接触型で予約、問診、受付と患者も相当に来院しやすくなりますし、受付の負担削減にも繋がります。
もうひとつ検討に値するのは、自動精算機です。数年前まではかなり高額でしたので、クリニックで導入するケースは稀でしたが、だいぶ価格も下がってきました。既に金銭の授受をキャッシュトレーで行うなどの工夫がなされていますが、もう1歩進めて自動精算機を導入することで、受付スタッフの省力化にも繋がりますので、中長期的に考えればそれなりの費用対効果が期待できます。
このようなシステム化の推進は、一部の患者にとっては大変有難い取組ですが、全ての患者にとって有用な訳ではありません。やはり患者層の問題は冷静に考える
べきです。
高齢者が大半を占めるクリニックでは、導入しても利用されない、むしろスタッフの手厚いフォローが必要になり、更に時間が掛かってしまうなどは愚の骨頂です。この辺りは各クリニックの現状を踏まえて導入を検討なさるのが良いですね。
予約システムのみ導入し、利用できる患者にはお任せし、利用できない患者の診察後の次の予約や、電話での予約をスタッフが入力するなどのシステム化をアシストするサポートがあっても良いでしょう。
また電子カルテとの連携の問題も検討材料です。ご利用の電子カルテによっては、それぞれのシステムとの連携が取れない場合もあります。これではシステムが単体で動くことになり、メリットはごく一部しか享受できません。理想を言えば、電子カルテを中心にして、予約システム、問診システム、受付システム、そして自動精算機まで連携できるのがベストです。ただこの適否は電子カルテによるという点は注意事項です。
最後にオンライン診療にも触れておきます。賛否は両論ですが、政府は時限的に解禁していた初診からのオンライン診療を今後も原則解禁する方向で動いています。
実際にオンライン診療を導入するクリニックも増えてきました。しかしまだ経営的にオンライン診療だけで成立するとか、経営に好影響を与えるという状況にはなっていません。今後の法改正を見極めながら、問題がない範囲で様々な取組を開始しているのが現状であると私は認識しています。つまり「過渡期」ですね。
イチ早くオンライン診療を導入して、少しずつ患者を増やしながらも、今後の本格稼働に備えて次々と新たなメニューを考えている若手医師が増えつつあることをお知らせしながらも、導入の判断はこれからではないかと考えます。
またオンライン診療も電子カルテとの連携が注意点になることを付け加えておきます。